山城踏査日記Ⅳ

中世、近世を問わず全国のお城を訪ねています。神社仏閣、鉄道も好きです。

杉山城@埼玉県比企郡嵐山町

杉山城は埼玉県比企郡嵐山町にあった中世城郭です。

山城ですが、よく整備されていて見やすいです。

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説明です。

説明にあるように戦国期山城の最高傑作です。

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杉山城の縄張り図です。

技巧的な縄張りです。

全ての虎口に横矢がかかります。

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堀と土塁です。

とてもきれいに整備されていて、夏でも見やすいです。

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横堀です。

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虎口と馬出です。

説明も豊富でわかりやすいです。

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本丸にある石碑と説明です。

これだけの城でありながらその歴史は伝わっていません。

縄張りから後北条氏による築城と言われてきました。

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本丸北虎口です。

杉山城は発掘調査の結果は15世紀後半から16世紀初頭の遺物しかなく、山内上杉氏による築城との説が考古学から提唱されました。

また文献史学からは、『足利高基書状写』に「椙山之陣」と記されている事がわかり、これが天文15年の河越野戦以前とされ、椙山之陣が杉山城を指すと指摘されました。

 

城郭研究者と考古学者・文献史学からの年代比定が大きくずれるこの問題は「杉山城問題」と言われ、大きな論争になっています。

未だ結論はでていませんが、このように考古学と縄張り研究による年代比定のずれは杉山城だけではなく、他の城でも見られる問題です。